コンピュータの心臓ともいえる「CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)」。その働きや仕組みを正しく理解することで、パソコンやスマートフォンの性能の違いが見えてきます。
この記事では、CPUの基本構造から、命令の実行サイクル、アドレス指定方式までを、初心者にもわかりやすく解説します。
CPUは「コンピュータの頭脳」と呼ばれ、あらゆる処理や計算の中枢を担っています。
ソフトウェアからの命令を受け取り、それに従ってデータを処理し、結果を出力する――これがCPUの主な役割です。
CPUの性能を大きく左右するのは、以下の2点です。
CPUは「クロック信号」という周期的なリズムに従って処理を進めます。
この信号の1秒あたりの繰り返し回数を「クロック周波数」と呼び、単位はHz(ヘルツ)で表されます。
例:3GHzなら、1秒間に30億回の処理が可能。
➞高いクロック周波数ほど、より多くの処理を素早く実行できます。
「バス」とは、CPUとメモリや周辺機器をつなぐデータの通り道のことです。その幅(バス幅)が広ければ、一度に送れるデータ量も増え、効率的に処理が行えます。
例えるなら、高速道路の車線数のようなもので、広ければ広いほど、交通(データ)がスムーズに流れます。
CPUの中には、「レジスタ」という超高速な小さな記憶装置がいくつも存在します。命令やデータを一時的に保持し、処理に必要な情報を瞬時に取り出せるのが特徴です。
レジスタ名 | 説明 |
---|---|
命令レジスタ(IR) | 実行する命令を保持する |
プログラムカウンタ(PC) | 次に実行する命令のアドレスを保持 |
アキュムレータ | 計算の結果や途中値を保存 |
指標レジスタ/基底レジスタ | アドレスの計算に使われる(配列や動的配置などに対応) |
汎用レジスタ | 特定の用途を持たない、汎用的に使える |
CPUは、メモリに保存された命令を1つずつ取り出して処理します。この一連の流れを「命令実行サイクル」といいます
→ プログラムカウンタの示す位置から命令を取り出す。
→ 命令の内容を解析し、何をすべきか判断する。
→ 命令で使うデータの場所を決定する。
→ 実効アドレスからデータを読み込む。
→ 演算や転送などの操作を行う。
→ 結果をレジスタまたはメモリに保存する。
命令の中にある「アドレス部」が、どのデータを使うかを決めます。この指定方法を「アドレス指定方式」と呼びます。
方式名 | 内容 |
---|---|
即値アドレス指定 | 値そのものを直接命令に書く(例:5) |
直接アドレス指定 | データのあるメモリのアドレスを直接指定(例:1000番地) |
間接アドレス指定 | アドレスの中に、さらにアドレスが書かれている(ポインタ的) |
相対アドレス指定 | 現在の位置(PC)からのオフセットで場所を指定 |
指標アドレス指定 | 指標レジスタとアドレス部を加えて実効アドレスを求める |
基底アドレス指定 | 基底レジスタを基準として実効アドレスを計算する |
これらを組み合わせることで、柔軟かつ効率的なデータアクセスが可能になります。
CPUのしくみを理解して、賢くテクノロジーを活用しよう
このように、CPUの仕組みを理解することで、パソコンやスマートフォンをより深く理解できるだけでなく、プログラミングやIT分野の学習にも大きく役立ちます。