基本情報技術者試験 CPUの仕組み

1ヶ月で基本情報技術者試験合格

目次

  1. はじめに
  2. CPUとは?その役割と重要性
  3. CPUの性能を決める要素とは?
  4. CPU内部のレジスタとは?
  5. CPUが命令を実行する流れ──命令実行サイクル
  6. アドレス指定方式──データの場所はどうやって指定する?
  7. まとめ

はじめに

    コンピュータの心臓ともいえる「CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)」。その働きや仕組みを正しく理解することで、パソコンやスマートフォンの性能の違いが見えてきます。

    この記事では、CPUの基本構造から、命令の実行サイクル、アドレス指定方式までを、初心者にもわかりやすく解説します。

CPUとは?その役割と重要性

    CPUは「コンピュータの頭脳」と呼ばれ、あらゆる処理や計算の中枢を担っています。

    ソフトウェアからの命令を受け取り、それに従ってデータを処理し、結果を出力する――これがCPUの主な役割です。

CPUの性能を決める要素とは?

    CPUの性能を大きく左右するのは、以下の2点です。

    クロック周波数とは?

    CPUは「クロック信号」という周期的なリズムに従って処理を進めます。

    この信号の1秒あたりの繰り返し回数を「クロック周波数」と呼び、単位はHz(ヘルツ)で表されます。

    例:3GHzなら、1秒間に30億回の処理が可能。

    ➞高いクロック周波数ほど、より多くの処理を素早く実行できます。

    バス幅とは?

    「バス」とは、CPUとメモリや周辺機器をつなぐデータの通り道のことです。その幅(バス幅)が広ければ、一度に送れるデータ量も増え、効率的に処理が行えます。

    例えるなら、高速道路の車線数のようなもので、広ければ広いほど、交通(データ)がスムーズに流れます。

CPU内部のレジスタとは?

    CPUの中には、「レジスタ」という超高速な小さな記憶装置がいくつも存在します。命令やデータを一時的に保持し、処理に必要な情報を瞬時に取り出せるのが特徴です。

    主なレジスタの種類と役割

    レジスタ名 説明
    命令レジスタ(IR) 実行する命令を保持する
    プログラムカウンタ(PC) 次に実行する命令のアドレスを保持
    アキュムレータ 計算の結果や途中値を保存
    指標レジスタ/基底レジスタ アドレスの計算に使われる(配列や動的配置などに対応)
    汎用レジスタ 特定の用途を持たない、汎用的に使える

CPUが命令を実行する流れ──命令実行サイクル

    CPUは、メモリに保存された命令を1つずつ取り出して処理します。この一連の流れを「命令実行サイクル」といいます

    命令実行サイクル(基本の6ステップ)

  1. フェッチ(命令の取り出し)
  2. → プログラムカウンタの示す位置から命令を取り出す。

  3. デコード(命令の解読)
  4. → 命令の内容を解析し、何をすべきか判断する。

  5. 実効アドレスの計算
  6. → 命令で使うデータの場所を決定する。

  7. オペランドの取り出し
  8. → 実効アドレスからデータを読み込む。

  9. 命令の実行
  10. → 演算や転送などの操作を行う。

  11. 結果の格納
  12. → 結果をレジスタまたはメモリに保存する。

アドレス指定方式──データの場所はどうやって指定する?

    命令の中にある「アドレス部」が、どのデータを使うかを決めます。この指定方法を「アドレス指定方式」と呼びます。

    主なアドレス指定方式

    アドレス指定方式の一覧
    方式名 内容
    即値アドレス指定 値そのものを直接命令に書く(例:5)
    直接アドレス指定 データのあるメモリのアドレスを直接指定(例:1000番地)
    間接アドレス指定 アドレスの中に、さらにアドレスが書かれている(ポインタ的)
    相対アドレス指定 現在の位置(PC)からのオフセットで場所を指定
    指標アドレス指定 指標レジスタとアドレス部を加えて実効アドレスを求める
    基底アドレス指定 基底レジスタを基準として実効アドレスを計算する

    これらを組み合わせることで、柔軟かつ効率的なデータアクセスが可能になります。

    まとめ

      CPUのしくみを理解して、賢くテクノロジーを活用しよう

      このように、CPUの仕組みを理解することで、パソコンやスマートフォンをより深く理解できるだけでなく、プログラミングやIT分野の学習にも大きく役立ちます。